アレヴィーガンお菓子作りの基本:卵・乳製品の代替品とそれぞれの役割を解説
アレヴィーガンレシピをご覧いただきありがとうございます。
ヴィーガンお菓子作りは、動物性食材を使用しないため、従来のレシピとは異なる材料を使用します。特に、お菓子作りにおいて重要な役割を果たす卵や乳製品をどのように代替するのか、疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、ヴィーガンお菓子作りに欠かせない卵や乳製品の代替品について、それぞれの特徴と役割、そして具体的な使い方を詳しく解説いたします。これからヴィーガンのお菓子作りに挑戦したい方、アレルギーに配慮したお菓子作りを始めたい方にとって、基本となる知識を提供することを目指します。
ヴィーガンお菓子作りにおける卵・乳製品の代替の考え方
お菓子作りにおいて、卵や乳製品は「つなぎ」「膨らませる」「しっとりさせる」「コクや風味を加える」など、多岐にわたる重要な役割を担っています。ヴィーガンお菓子作りでは、これらの役割を植物由来の食材で補うことが基本となります。
また、乳製品や卵は特定のアレルギーの原因となることが少なくありません。ヴィーガンレシピは、これらの食材を使用しないため、乳製品アレルギーや卵アレルギーを持つ方にも安心して楽しんでいただける選択肢となります。
卵の代替品とそれぞれの役割
卵の代替品は、お菓子に求める食感や目的によって使い分けることが重要です。
1. つなぎ・しっとり感を出す役割
- 熟したバナナ(潰したもの): 1/4カップ(約60g)が卵1個分の目安です。甘みとバナナ特有の風味がお菓子に加わります。マフィンやパウンドケーキなど、しっとりさせたい焼き菓子に適しています。
- りんごソース(無糖): 1/4カップ(約60g)が卵1個分の目安です。バナナと同様につなぎとしっとり感を与えますが、風味は控えめです。クッキーやブラウニー、マフィンなどに使われます。
- 野菜や果物のピューレ(かぼちゃ、さつまいもなど): バナナやリンゴソースと同様に利用できます。それぞれの野菜や果物の風味が加わるため、お菓子の種類に合わせて選びます。
- 片栗粉やコーンスターチを溶いたもの: 大さじ1の片栗粉やコーンスターチを大さじ2〜3の水で溶いたものが卵1個分のつなぎとして機能します。これは風味をあまり変えたくない場合に適しています。
2. 膨らませる役割
- アクアファバ(ひよこ豆の缶詰の汁): 泡立てることでメレンゲ状になり、卵白の代わりとして使えます。卵白1個分に対して、アクアファバ大さじ3程度が目安です。ふわっとした食感を出したいムースやメレンゲ、マカロンなどに利用されます。
- ベーキングパウダーと重曹の組み合わせ: 酸性の食材(レモン汁、酢、メープルシロップ、ヨーグルト代替品など)と重曹が反応し、ベーキングパウダーがさらに膨張を助けることで、ふっくらとした仕上がりになります。レシピに記載されている量を正確に使用することが重要です。
3. 市販の卵代替品
様々なメーカーから、植物由来の卵代替品が販売されています。これらは、つなぎ、膨らませる、しっとりさせるなど、複数の卵の機能を補うように調合されています。製品ごとに推奨される使い方が異なるため、パッケージの指示に従って使用することが推奨されます。
乳製品の代替品とそれぞれの役割
牛乳、バター、生クリーム、ヨーグルトといった乳製品も、植物由来の代替品でその風味や食感を再現できます。
1. 牛乳の代替品
牛乳は、液体として生地をまとめる役割や、風味、しっとり感を与える役割があります。
- 豆乳: 最も一般的な牛乳の代替品です。無調整豆乳は風味にやや豆乳独特の個性がありますが、調整豆乳や他の植物性ミルクよりも安価で手に入りやすいです。
- アーモンドミルク: ナッツの風味が特徴で、口当たりが軽く、お菓子に繊細な風味を加えます。
- オーツミルク: 穀物由来の自然な甘みとコクがあり、濃厚な仕上がりを求めるレシピに適しています。
- ライスミルク: 特定のナッツアレルギーや豆アレルギーを持つ方にも利用しやすい選択肢です。風味は控えめです。
これらの植物性ミルクは、レシピの牛乳と同量で置き換え可能です。
2. バターの代替品
バターは、お菓子にコク、風味、しっとり感、サクサク感を与えます。
- 植物性マーガリン(ヴィーガン対応品): バターに近い風味と質感を持ち、焼き菓子全般に広く使用できます。成分表示を確認し、完全に植物性であることを確認することが重要です。
- ココナッツオイル: 固形と液体の両方で利用できます。固形の場合はバターのように練り混ぜ、液体の場合は溶かして使用します。ココナッツ特有の香りがお菓子に加わるため、その風味を生かしたいレシピに適しています。
- 菜種油や米油などの植物油: 液体油は、クッキーやマフィンなど、しっとり感を強調したいお菓子によく使われます。風味は控えめで、他の材料の味を邪魔しません。
バターを液体油に置き換える場合、一般的に油の量はバターの8割程度が目安とされますが、レシピによって調整が必要です。
3. ヨーグルトの代替品
ヨーグルトは、酸味と乳酸菌による独特の風味、そしてしっとり感を加えます。
- 豆乳ヨーグルト: 市販のプレーンタイプの豆乳ヨーグルトは、牛乳ヨーグルトと同様に利用できます。マフィンやパンケーキなどに加えることで、しっとりとした食感と程よい酸味を与えます。
その他のヴィーガン対応の考慮事項
- 甘味料: 白砂糖の中には骨炭が使われる場合があります。純粋なヴィーガンを求める場合は、きび砂糖、てんさい糖、メープルシロップ、アガベシロップ、デーツシロップなど植物由来の甘味料を選びます。
- 小麦粉の代替: 小麦アレルギーに対応する場合は、米粉、タピオカ粉、片栗粉など、グルテンフリーの粉を使用します。それぞれの粉で吸水性や食感が異なるため、適切な配合を学ぶことが大切です。
- チョコレート: カカオマスのみで作られたものはヴィーガンですが、乳成分が含まれるものも多いため、必ず原材料表示を確認してください。
まとめ
ヴィーガンお菓子作りは、卵や乳製品の代替品を理解し、その特性を生かすことが成功への鍵となります。今回ご紹介した代替品は、それぞれに異なる役割と風味を持つため、様々な組み合わせを試すことで、お菓子作りの幅が大きく広がります。
アレヴィーガンレシピでは、これらの基本材料を使った具体的なレシピを多数ご紹介していく予定です。それぞれの材料が持つ特性を理解し、あなただけのお気に入りのお菓子を見つける参考にしてください。ぜひ、植物由来の食材が織りなす新しいお菓子作りの世界を楽しんでいただければ幸いです。